「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

みちくさ市

「古本 石英書房」は、22日(土)と29日(土)はお休みさせて頂きます。
よろしくお願い致します。


昨日は雑司が谷みちくさ市に行ってきました。

 
想像以上に日差しが強く、かなりの暑さで
出店されていた方々には、非常にお辛かったことと思います・・・。


店主の方々とお話したり、本をじっくり“物色”していると、
だんだん次女→三女の順に焦れてきました。
下二人は本よりも「手創り市」の方に心惹かれているのです。
そこで、途中から別行動。二人であっという間に去っていきました。
私と長女はちょっと安堵のため息をつきました。


気のせいか、今回はとりわけ心の琴線に触れる本との出逢いが多かった気が
しました。
出店していらした「しま猫舎」さんが荷物を預かって下さり、急かす子供も減り、
体も心も(一時的に)軽くなった私はいつになく多くの本を
購入してしまいました。
その中でもとりわけ印象深かった本たちはこちらです。



追想 芥川龍之介』(芥川文、中野妙子記、中公文庫)は、図書館で借りて
読んだだけでした。
この日雑司が谷へ向かう途中の山手線で、芥川の奥様は駒込から
菩提寺へ歩いていったそうだ・・・という、上記の本に書いてあったことを
喋っていたところだったので、この本を見つけたときに不思議な気持ちに
なりました。
・・・・・聞こえてた?(でも誰に?)


久坂葉子作品集 女』(六興出版)は、彼女の作品が読みたかったから。
少し前に講談社文芸文庫から作品集が出ていたのを、この文庫ならではの
高値や他の未読本の存在のためについ購入を躊躇ったことが
心に引っかかっていたのです。
収録作品に、特に読みたかった『落ちてゆく世界』があるのを確認したら、
何だかほっとしました。


卑弥呼』(久世光彦新潮文庫)もまた、買うのを棚上げにして
しばらくたってから見かけなくなり、悔いていた作品でした。
思わず「ああっ」と出た声は、幸い周りの方々の会話の声にかき消されていた
ようでした。



心にインプットされた本とは、ときに時間がかかっても、思いがけないところで再び巡り会えるようです。
特定の信仰はもっていない私ですが、こういう偶然を経験するたびに
「古本の神様」の存在は信じられる気がするのです。


長々失礼致しました。
とにかく、楽しい一日でした!



   追記・長女も探索本を見つけて「あっ!」と声を発していました。
      次女・三女も「手創り市」で独力で有意義な買い物をしたそうで、
      皆が嬉しい一日でした。めでたし。
     

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