「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

明治を想う

神保町の東京古書会館へ行ってきました。
以下のイベント目的です。

  「作家・黒岩比佐子が魅せられた明治の愛しき雑書たち
    日露戦争・独歩・弦斎」



 
  『古書の森 逍遙』黒岩比佐子著、工作社

この本の刊行を記念してのイベントの一つです。


明治時代は私にとって、非常に興味深い時代です。
二葉亭四迷(卒論でした。出来はともかく。)・・・とくれば、
もう日露戦争の頃は外せません。
わくわくしながら展示を拝見しました。


面白かったです!
明治の中でも限定された時期に区切っても、これだけの資料を集められたことに
まず感動しました。ガラス越しだけでなく、頁を繰ってみたくて
仕方がありませんでした。


この頃のいわゆる大衆向けの文章には、何となく教え諭すといったニュアンスが
あるように思えます。
人々に情報や思想を知らせようと真剣なのだとはよくわかるのですが、今の時代から
みると、その独特なトーンにどこかほんのり笑みを誘われるものもありました
(嘲笑ではなく、あくまで良い意味で)。
雑誌等の丁寧な絵や文から漂う、懸命な感じもとても素敵でした。
今や新鮮な印象すら受けてしまいます・・・。

維新後、あらゆる新しいものに向かって試行錯誤していくこの時代の
新鮮な空気のようなものに、私は非常に惹きつけられる思いがするのです。
これからも、「明治」というキーワードを見聞きしては反応し、学び続けたいです。


こういった膨大な資料をご自身の言葉で噛み砕いて本にまとめるまでには、
いったいどれほどのパワーが費やされたことでしょう。
展示品の中にあった、黒岩さん直筆のノートを読ませて頂きながら、
いつになくしみじみさせられました。


この展示は明日26日までですが、近くの三省堂書店東京堂書店ふくろう店では
来月中旬もしくは下旬までそれぞれ関連本のフェアを実施されています。
二店共通の「黒岩比佐子の古書の森マップ」なるものもありますので、
ご興味のある方にはぜひお薦め致します。


『古書の森 逍遙』は、当店にもございますので、どうぞご覧下さい。



黒岩さんのサイン入りです!

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