「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

声を聞きたい

その方の書いた作品等を読んで、無性に肉声を聞いてみたくなる
ときがあります。
好きな作家でも、特別そう感じない方も多いのに、
ごく稀にその気持ちが起きます。
声色や話し方、言葉遣いを耳で味わいたい。
どうしてなのか、自分でもよく分かりません。
その方をより深く知りたいというのは
確かなのですが。


長い間、その対象だったのは西原理恵子さんでした。
昔『週刊朝日』で連載していた頃(『恨ミシュラン』)から
気になる存在でしたが、その後の『ゆんぼくん』や
ぼくんち』等等の作品で虜になりました。
私の中では、彼女の作品ほど読んでいて笑ったり泣いたり
いろいろに感情を揺さぶられるものはないと思っています。
その深さを、まだ言葉で適切に表現することができません。


先日、遂に朝のニュースの特集コーナーでその語りを聞くことが
できました。
想像通り(といっては失礼ですが・・)、ややドスのきいた
達観したような語り口、短い時間ながら堪能させて頂きました。


ひねくれものの私は、この頃西原さんが『毎日かあさん』等で
大変広く知られるようになったことに心中複雑な面もあるのですが
(知る人ぞ知る・・みたいな存在でいてほしいというか。
ご本人からすればはた迷惑な話ですが)、
あの“かあさん”は、私の理想形でもあります。

あんなふうに懐深い母でありたいと思いつつ、
些細なことでカリカリしたりジタバタしたりする毎日です。



さて、今声を聞いてみたい方は松浦弥太郎さんです。
何冊か読みましたが、『くちぶえサンドイッチ』で
初めてそのように思いました。
ふとすると気障にもなりかねないのに、さらっと率直な空気を感じる
文章を綴る方は、どんな声を持っていらっしゃるのか・・・
非常に興味深いです。
 

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