前回紹介した本の一冊の著者、末續堯さんの本です。
骨董ではあるのですが、非常に親しみやすい品ばかり。
そしてその品を入手した経緯という、私の大好きな話が詳しく書かれているので、
何度読み返しても楽しいです。
まったく、何でこんなに買い物話が好きなのか
我ながら不思議に思います。
一時期、早起きしては骨董市に行ってみることに凝っていました。
別に高価なものを買うわけではないのですが、何か物語のありそうな
年季の入った品々を見て廻るのはわくわくしました。
その頃見つけ、今もときどき繰り返して読むのはこの本です。
右の『骨董紀行』(梶井純著、北冬書房)。
骨董関係のいわゆる“専門家”ではない方のようなのですが、
いや、だからこそなのでしょうか、品々との出遭いの喜びが率直に伝わってくる、
とても魅力的な文章だと感じられます。
ご本人が撮影された写真からも、愛情が伝わるような気が・・・
モノクロ故、そのイメージが膨らむように思われます。
左の『骨董遊行』(梶井純、北冬書房)は、去年の「神田古本まつり」で
見つけました。帰り際、もう夕暮れに入りつつあった路上でふっと目に入ったときは
夢かと思いました。大袈裟な表現ですが、そのくらい驚き、嬉しかったのです。
品選びの中では、私はどうもこれらのものが特に好きなようです。
渋い雰囲気の陶器、仏像、仏具類・・・いったいこういう好みはどこから生じてくるのか
不思議ですが、文章を読み、写真を眺めているとどうしようもなく満足するのですから、
これはもう嵌まっているということなのでしょう。
さして勉強する訳でなく、論じる力もなく、まさに下手の横好きなのですが。
こんな本まで持っています。
理由は表現できなくてもとにかく好きなのですから、これからも追いかけ続けるのでしょう。