雨です。肌寒いくらいです。
一昨日くらいから空気に金木犀の香りが感じられて、嬉しいです。毎年の懐かしさ。
私物の話です。
先日買った写真集が、雨に似合う気がしています。
『windows』奥山由之(赤々舎)
紹介文で予測のついた分厚さと価格でしばし迷いましたが、窓、すりガラス、東京と、私の好きな要素が揃いすぎました。
東京で約2年半かけて撮った10万枚近くの不透明なガラス窓の写真から724枚を選んだ写真集です。重いです。
様々なガラス。懐かしいものもたくさんあります。ミーハーながら、当店のものもないかと探してしまいました。10万枚の方には入っていたら嬉しいのですが。
玄関や部屋や台所や洗面所やトイレ、ガラス窓がひたすらに連続したページをめくっていくと、それぞれの家の暮らしが浮かんでくるよう。あからさまでなくて、ぼんやりとしているところがいいなあと感じます。妄想を掻き立てられ、一方ではいながらにして街歩きをしているような気分にもなります。
外の雨音と共に、静かに楽しみます。そうやって、ざわつき乱れた心を鎮める。
当店のガラス戸。
この家を建てた、かつての持ち主の方が自慢されていました。私も一目惚れでした。宝です。
持ち歩くには全く不向きですが、この写真集を眺めて眺めて擦り減らしたいと思います。
明日は、石英書房の「KAB BOOK MARKET」出店最終日です。10〜18時まで。少々開店が遅れる可能性もございますが、ご了承下さいませ。