「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

父と本と私

読みたい本は数々あるのに、どうも心身共に落ち着かず、
じっくり本と向き合うことができずにおります。
ああ、何だか時間がもったいないと焦ってしまいます。
焦って何かが改善される訳ではないのですが。


書くのも同様で、こんなことに使いたい・・・といった
イメージは膨らませ、ノート等を入手してしまったりするのですが
なかなか使いこなせません。


そんな私の目にとまった本。実家で出逢いました。


『夏彦の影法師 手帳50冊の置土産

  山本伊吾、新潮文庫



山本夏彦の息子さんが父の遺した手帳を読み辿っていくエッセイです。


私の父は山本夏彦作品を愛読していました。
元気な頃、よく「良いから読めば」と薦められていたのですが、
何となく手が伸びずに年月が過ぎていました。
先日、アトリエ*ローゼンホルツさんでのブックトークで彼の話題となり、
再びお薦めいただくことになりました。今度は不思議なくらいに素直に
読んでみようかなという気持ちになったのです。
 父よりも具体的で、興味をかきたてられるようなお薦めぶりでしたので・・・。



前述の通りなかなか集中できないので、まだ少ししか読み進めていませんが、
興味津々です。これは夏彦さんご本人の著作ではないけれど、彼の人柄をもっと
知りたいと思うようになりました。



手帳。
夏彦さんのように心情の記載はなかったけれど、私の父もまた
手帳愛用者でした。
あちこちの媒体で見聞きした情報を記すのです。
主として、食べ物のお店や展覧会、本、郷土玩具等の情報、それを集めては
すぐ出掛けていく行動力には驚かされました。
反抗期でどんなに言動等に反発を感じても、父のこの点については常に
敬意を抱かずにはいられなかった私です。



そんな思い出を今更ながらにひたひたと感じながら、
ほんの少しずつ読書を続けていくのです。
どっぷりと浸ることができなくても、私の人生にはやっぱり本は
欠かせないなと改めて痛感させられます。


自分と手帳についてもまた改めて綴りたいと思います。
その頃には、この本も読了できているといいな。





以下も、結構遠いながらも父繋がりともいえる話題です。


曳舟の鳩の街商店街で毎月二週間、お店を開いていらっしゃる甘夏書店さんが
お引越しされることになりました。


現店舗から徒歩10分とかからない、一軒家カフェikkAさん(こちら)のニ階への
移動です。
いずれも何度も訪れている、私の好きなお店です。
きっと素敵な世界が展開されることでしょう。


甘夏書店さんが鳩の街で営業されるのは、明後日15日(土)〜28日(金)が
最終となります。
セールもされるとか。皆様ぜひお出掛けになってはいかがでしょうか。


こちら もご参照下さい。



実は、実家のお墓はこの地にあるのです。繋がったご縁はこれからも
続いていきます。

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