「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

紙々のモノ語り

ずっと楽しみにしていた会です!


「ほんのかみ&じしょのかみ試し書き大会」


押上の「一軒家カフェ ikkA」さんの二階にお引越しされた
甘夏書店さんがじっくり温めてこられた企画です。


ikkAさんの二階へ上がると・・・












以前から目にしているスペースが、
すっかり甘夏さんの色と香りが感じられる空間となっていました。




今回の大会の「教材」と「講義」は、
紙の卸専門の「東京洋紙店」さんによるものです。
  HPは こちら


こういった製品も作っておいでです。



そして、今回のために作って下さったのは・・・


参加費と引き換えにいただける教材+おまけ。




入れ替え制で行なわれた、講義および実習のひとこま。



その道に携わる方のお話は、感心させられることばかり。
いわゆる業界用語や裏(?)事情のようなお話は、
素人には実に面白く、目がキラキラしてしまいます。


印象的だったのは「講師」の方が、紙を破いたり
くしゃくしゃにしたりするときの感触や音への着目を
促して下さったことです。
その魅力を語る方の目もまたキラキラしており、
幸せを分けていただくような気持ちになりました。


かく言う私達「生徒」も、種類の違う紙を見るなり
いっせいに指の腹で感触の違いを確かめ出して
おりました。ちょっと引いて見るその光景は、
ちょっぴり異様?だったようです・・・。


でも、実際に確かめると、案外感触は記憶に残っているものだと
思いました。
例えば今回の辞書の紙は某辞書に使われているものと
ほぼ同じとのことでしたが、私が日常使いしている「新解さん
(新明解国語辞典三省堂)とは明らかに違う感じが・・・。
このような機会がなければ意識することはできなかったと思います。



「実習」は、単行本用の紙と辞書用の紙への
試し書きでした。一同、初めは何だかもったいながって
いたのですが、調子が出てくると各自非常に個性が溢れだして
きました。


絵の心得のある方は羨ましい!と痛感しました。
さらさらとイラストや図で違いを試す方々多数。
それに比べて私は・・・


  本の紙



  辞書の紙


この紙をいつか何かで活用しようと、すみっこで試すいじましさです。
創作の能力のない私ですら何かをと思うのですから、創れる方にとっては
さぞかしうずうずすることでしょう。皆さんの試し描きを楽しく拝見しました。




更に、紙の「自慢会」と「交換会」もありました。
こちらは各自の持ち寄りです。


自慢は、する方も聞く方もわくわくです。
国や時代が異なる紙たちです。



もちろん交換もわくわく。子供の頃を思い出しました。
それぞれが語る子供時代に年代の格差は生じていましたが・・・。



初対面の方もいらっしゃる中、紙への心意気で共感し、
お話も弾む良い時間でした。
やはりモノには魂が宿っていると思います。
身近なモノたちをきちんと愛していこうと改めて心に誓いたくなった
一日でした。


今後も続いてほしい会です。

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