「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

“いいもの”たちの光

「古本 石英書房」の三週後までの営業日は、以下の通りです。

  
  10月3日(月)※14時頃〜
    5日(水) 通常通り
    7日(金) 通常通り
    8日(土)※14時頃〜


   14日(金) 通常通り
   15日(土)※14時頃〜(予定です。休業の可能性あり)


   17日(月) 通常通り
   19日(水) 通常通り
   21日(金)※〜16時頃まで(時間変更の可能性あり)


急な変更の可能性もございます。
恐れ入りますが、直前のブログでのご確認をお願い申し上げます。




先日の深川いっぷくさんでのイベントに続き、
鉱物イベントが開催されていました。
早く行きたい心はあっても体が空かず、昨日の最終日にやっと伺うことが
できました。
蔵前にある、写真家大沼ショージさんのアトリエ「カワウソ」にて。



 鉱物アソビの博物学
「鉱物見タテ図鑑」出版記念イベント




『鉱物見タテ図鑑』フジイキョウコ編・著 (P-Vine BOOKs)



以前出版された『鉱物アソビ』という本。鉱物との接し方が実に新鮮で、すごい本だ・・・と思っておりました。
その第二弾です。



カワウソさんは素敵なところです。前回伺ったときに写真を撮りそびれたことが
ずっと気になっておりました。
外観等については、以前のブログ(こちら)をご参照下さい。



室内からの景色。
ときどき船も通ります。秋めいてきた風が吹き抜けて気持ちがいいです。

暗く写してしまい不鮮明ですが、部屋の中の風情も何ともいえずいいのです。



活版印刷機と水晶たちの親しげな風情。
何だか羨ましかったです。



本に登場する石たちが並びます。
壁に映し出されたスライドと、部屋に流れる波の音が
石の世界に更に引き込んでくれる感じでした。




青く光るのは、ブラックライトです。
下に置かれた蛍石(蛍光する性質があります)の魅力が
更に発揮されます。
(隣りも蛍石を楽しむための箱です。そのための専用蛍光ランプが
また大変素敵でした。)



石たちはそれぞれに世界を形成しています。
私が特に印象に残ったタイトルは


「芝生楽園」 (グリーン石膏)
「マッチ箱の中の山脈」(山入水晶) 
「タイムカプセル」(ハーキマーダイヤモンド)
「チョコレット讃」(母岩付きスペサルチン)


等でした。何だか石たちの声が聞こえてくるようでした。


スプーンやマッチ箱、古びた缶等のモノたちと一緒にいることで、石のもともとの
魅力が更に光っている感じでした。
そのことが、石の雄弁さを私に感じさせたのかもしれません。


ぜひ、素晴らしい写真と解説を本で味わって頂けたらと思います。
石をある程度理解しているつもりでしたが、目から鱗がはらりはらりと
(雲母のように?)落ちる思いが致しました。世界が広がります。



フジイキョウコさんとお話できたことも、とても嬉しかったです。
こういうことを実現されるために、写真を担当された大沼ショージさんと共に
長年企画を温め続けていらしたそうです。
本だけではなく、「鉱物Bar」という形でも活動をしていらっしゃいます
西荻窪みずのそらでも)。
石への思い入れと、それを斬新かつ的確に表現なさる力に圧倒される思いでした。


自分はまだまだだなあとつくづく思いました。
好きな気持ちは積極的に表現していかなければいけないですね、こういう場合は。





「カワウソ」さんでは、こちらも購入。



『コップとて』 写真・大沼ショージ



世田谷の而今禾さんで開催された展示に伺えず、ずっと欲しかったのです。
和綴じであること、ロウ引きの紙を使用していること、更には「差し込み式広告」が
ついていること・・・等々、独特の魅力いっぱいです。ひっそり、じっくり楽しみたいです。
拙い説明ではもどかしいので、ぜひこちらをご覧下さい。



今回は、新刊本のご紹介でした。当店では販売しておりません。
『鉱物見タテ図鑑』は10月7日頃から各書店に並ぶ予定、
『コップとて』は前述のリンク先に販売店の記載がございます。



なお、凹凸舎さんの作品としては「罫線鉱物画」と「栞」は当店でも扱いがございます。
この二点からも、凹凸舎さんの鉱物への思いを感じております。
ぜひお手にとってご覧頂けましたらと思います(以前のご紹介はこちらです)。





新刊のご紹介ついでと申しては何ですが、もう一点。
書店で目が合ってしまいました。



散歩の達人 テーマ別MOOK 空カフェ くつろぎの全102軒』(交通新聞社



空を眺めるのが好きで、お茶と共にぼーっとするのが好きとあっては、
もう手にするしかありません。タイトルが巧みすぎると思いました。


最近数多く出ている“カフェ本”でも登場するお店も多く入っていますが、
切り口が違うとまた違う面が見えてくることもあるかと思います。
そうやっていつも新鮮さを保てるお店は素敵だと思います。
紹介することで更なる魅力を引き出すお仕事も。


本や石を並べるにしても、そんな表現のできるお店でありたいとも感じています。




いいものを楽しむと、清々しい気持ちになれます。
貴重なひとときは大切にしたいです。

 

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