「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

不忍ブックストリート・一箱一日目

良いお天気に恵まれました!


第16回 不忍ブックストリート一箱古本市
一日目の開催でした。


それに合わせ、「石ころお散歩隊」は
この地域で活動して参りました。今回は三名での実施です。



待ち合わせ場所は、東京メトロ千代田線、根津駅
2番改札の前には名物「根津メトロ文庫」があります。
やや縮小サイズの、電車の車両型の書棚は非常に魅力的。
それを欲しい・・!と思いました。
書棚の中身も良かったです。懐かしい装丁の岩波少年文庫等、
それらを眺めているだけで話が弾みました。
そう、お散歩メンバーと待ち合わせ後もしばしお話し、古本の一日に
ふさわしいといえる始まりだったと思います。




スタートからすっかり本モードとなって、
古本市一件目の「タナカホンヤ」さんへ。
かねがね耳にしていた通り、素敵な空間でした。
住む街にこんなお店があって、“日常使い”できたらいいなあ。
こちらで11時の古本市スタートの瞬間を迎え、楽しく過ごしました。




ここからのルートは

根津神社 → ツバメブックス → 往来堂書店 → 喜多の園
イリアス特別養護老人ホーム谷中 → 紙と布
貸しはらっぱ音地 → 旅するミシン店 → コシヅカハム →
ひよこ堂 → きんじ


でした。 ※は一箱古本市会場、*はweek企画参加店です。



  遅めの昼食をしたお店の店名を失念しました。 
  調べても分からず、無念です。
  さんさき坂途中にあり、パスタとくろすぐりのネクター
  美味でした。




はじめから一箱制覇を目指さず、のんびり立ち寄り、
おしゃべりし・・・というスタイルでした。
廻った一箱スポットは、13のうち5、
伺えなかったスポットの出店者の方々には申し訳ございません。
次々と繰り出される様々な出逢い(人も本もモノも)に対処するので
精一杯でした・・・。


  二日目となる5月3日(土・祝)は、12スポット、45箱です。
  制覇を目指す方はできるだけお急ぎになることを
  お薦め致します。事前のルート確認も有効かと思います。





街全体に非常に人が多く、特に根津神社の人出にはびっくりしました。







つつじの道も人で溢れていたため、遠目での色合いを楽しんで
満足する私達でした。




根津神社に入る前には閉まっていた「ツバメブックス」さんが、
引き返してきたときには外まで箱各種が陳列されていたのにも
ちょっとびっくり。短時間のことで、何だか魔法のようでした。
古本の精の魔法? と思いたくなる雰囲気のあるお店なので、
余計にそう感じました。




この後は主に古本関係の方々に次々とお会いする時間が続きました。
ここまでの邂逅は、私には初めてかと思います。



スポットごとの出店の模様は、一箱古本市スタッフによって撮影されています。
私は既にお知り合いの方の一部を撮らせていただきました。





オバケダイガクさん。
少しずつ集め続け、コンプリートを目指している冊子『オバケダイガク』。
最新の『オマケダイガク 二号』もいただけて嬉しい!





ますく堂さん。
鉄道そのものではなく、各駅ゆかりの本を揃え、駅名を帯書きしていらっしゃる
ところが素敵でした。


最近、電車関連があると「ほら、石英さん!」と周囲に教えていただくことが
ずいぶん増えています。




鉄子というほどでは・・・」と申しても、こういうものに
キラキラしているようではどなたも納得して下さいません。
それはそうだなあ・・・。





榊翆簾堂さん。
学生時代に浸った、懐かしい文学の香りが一杯。
なのに、こちらでも鉄道関連に吸い寄せられました。
ツボが多すぎて、称賛すべきところを「何てことを・・・」と
呟く私でした。



「一箱」という制限の中、どのような本を出品するのか。
テーマを設定する方、自身の嗜好の本とモノを並べる方、
フリーペーパーを設置する方・・・その方の人となりが
浮かび上がってくるのを拝見するのはとても面白いです。
自分の好みとの一致点が多い方とは、お話もしたくなってしまいます。
単に本を入手するだけでなく、その交流の面白さが魅力で、
毎回行きたくなる催しなのです。


好天の中、ずっと陽の当たる場所にいらした出店者の方は
大変だったことと思いますが、明るい日差しにさらされた古本達の姿には
やはりイベントらしい輝きを感じました
(直射日光もまた本にはよろしくないのですが・・・)。





お散歩行程の中では、メンバーそれぞれが気になる
いくつかのお店にも伺いました。
その中で、この時期ならではなのは「ブックストリートweek企画」です。



イリヤス」さんでは、恒例となった「本ときのこ展」。
多数の作家さんによるきのこ作品の数々を堪能しました。
「きのこ」を媒介とした本との繋がり、という個性は
私にも毎回の愉しみとなってきました。



「紙と布」さんでは、「林丈二のアンティーク絵葉書市」。
実は、お散歩隊長自らがすごーく行きたくてお願いしたルートでした。
考現学路上観察も大好きな私にとって、路上観察学会日本絵葉書会の会員で
いらっしゃるこの方の企画は外せませんでした。


膨大な数の、古い絵や写真の味わい深さに夢中でファイルをめくる私に
椅子を勧めて下さるご親切が。お店の方とばかり思っていたら
林さんご本人であることが後で分かり、動揺しましたが、
お話できてとても嬉しかったです。まだ読んだことのなかったご著書も
入手することができました。



一箱古本市の日に合わせて実施されるこの絵葉書市は、
各日ごとに絵葉書のジャンルが異なります。
二回目となる5月3日は「動物関係」とのことですので、
ご興味のある方はぜひ。
  ちなみに、27日は「子供」でした。西洋の子も東洋の子もいて
  選抜に苦悩しました。




記述はやや順不同となりましたが、長く濃いお散歩はよみせ通りでの解散をもって
終了しました。



のんびりすると全部を廻り切れず、制覇するには何かを割愛しても
突き進む必要が・・・と、難しい点もありますが、このイベントには
楽しさが溢れていることは間違いないと感じます。
イベント開催スポットに行って終わりではなく、街歩きを伴うことには
大きな意味があると思います。地域を丸ごとの形で味わえるといった
感じでしょうか。細かな発見等もあると楽しさが増します。


ときに道に迷っても、ぜひお試しになってみて下さい。
そうお薦めし続けたいです。


長々失礼しました。
次回一箱古本市は5月3日です。こちらも好天となりますように。

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