「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

本への入口

先日のこと。終了間近にやっと来訪できました。




この展示の準備期間中に、92歳で亡くなられたかこさとしさん。
私にとっては大きな大きな存在でした。


ことばのべんきょうシリーズ、海、地球、とこちゃんはどこ、
だるまちゃん・・・
物心つく頃には身近にあるのが当たり前だった本の数々、
その多くはかこさとしさんのものでした。
あの緻密な描写が大好きで、飽きることなく
ずーっと見ていたものです。


特に、ハンディサイズのことばのべんきょうシリーズ、
中でもとりわけ4作目の『くまちゃんのおかいもの』は
頻繁に持ち歩く本の一つでした
(カラーブックスの宝石系もここに含まれます)。
まさに、三つ子の魂百まで、です。



過去の展示を観ることができていない私には、
今回の展示を逃すことはできない!
でもちょっと遠い・・・ということで、同好の士と共に
行って参りました。心強くてありがたいことです。





川崎市市民ミュージアムは、大変立派な施設でした。
広く、のびのびとした雰囲気です。



入口でお出迎え。
この笑顔にはいつも安心できます。


原画がたくさんあり、懐かしんだり、初めて見て驚いたり感心したりと
いろいろな感情に心が揺さぶられました。


楽しく明るく優しい。その空気を一貫して保たれたことは
素晴らしいと感じます。
常にこどもに「教える」でなく「伝える」という姿勢を
貫いた方だということもこの展示で実感することができました。


ふるさと絵本館「らく(石へんに石)」や、
越前市武生中央公園(まめちゃんえん)がある、かこさんご出身の
福井にも行きたくなりました。


父が化学の教員で同世代、祖父が福井出身と、私も案外
ご縁があったといっていいのかもと改めて思ったりもしました。
父もそんな親しみの意識があって、かこさんの本をたくさん
買っていたのかもしれません。
その甲斐もなく、理科は全体的に不得意ですが。何だか申し訳ない。





私のお買い物です。
小湊鉄道や、すごろくに登場する郷土玩具。
やっぱり私の好きな世界がここにあります。



館内の関連展示(セツルメントやロシアの絵本等)や
別展示(昔のくらしと家庭の道具)も楽しみ、ミュージアムを後にしました。



もしかしたら私の本好きのルーツといえるかもしれない
この世界を堪能しました。



こんなふうに動けてよかった。

アクセスカウンター