「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

海の石

まもなく新年に入るという実感がまるで持てずにいます。
年末年始の生活が普段と全く変わらない予定だからかもしれません。そんな中も、何かしら新鮮な気持ちを抱けたらと思ってはおります。




おそらく今年最後となるであろう石馬鹿シリーズ。


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富山県産の翡翠の原石です。ヒスイ海岸と呼ばれる宮崎海岸で採れたとのこと。そこまで特定できていることも嬉しい。
ヒスイ海岸は、新潟県糸魚川だけではないのです。

翡翠らしい優しい緑色でつるつるとした触感の部分と、ざくざく、ごつごつとした野生味溢れる部分の混在したこの塊は、眺めて触って飽きることがありません。安定感のあるずんぐりした姿も好みです。


糸魚川越中宮崎のいくつかの駅で降りて、そのたび海岸に出て佇んだ時間を懐かしく思い出させてくれます。あのとき眺めた海のどこかにこの石もいたのだと思うのは、私にとっては何だか嬉しいことなのです。

海岸が砂浜ではなくて、石がごろごろしているというのも私には物珍しくて。時間の制約もない、強いて言えば翡翠が目的だった一人旅、存分に石に触れ、海を見て波の音を聞きました。何年経っても忘れないであろう幸せな空気。


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出逢えて良かったなとしみじみと思える石です。



目標だった一人旅も果たせずに終わりつつある今年の締めとして、旅の思い出に繋がるこの石を掲げたいと思いました。いつか、この石と共に産地を再訪したいものです。

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