「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

冬の書店通い

寒い日が続きます。

少々面倒な定期通院が済んだ後は、書店に立ち寄るのが楽しみです。先日もいそいそと向かいました。あれこれと本を眺め、手に取って拾い読みしたり、ときどき何故か耳を澄ましてみたりと書店を堪能。レジに並ぼうとして、ふと目に留まった文庫本を追加して買ってしまいました。

栗の木は、その丈夫さからかつては線路の枕木に使われていた、などという逸話を知って俄然親しみ?がわき、小箱やお皿や腕輪等を少しずつ手元に集めるように。そんな私には、注目すべき題名でした。

立ち読みした表題作はごくごく短文ですが、心に沁みるものがあったのです。

「さて、私の栗の樹は何処にあるのか。」

この末文がとても好きです。

小林秀雄は昔から何となく近寄り難い存在でした。青山二郎白洲正子経由で、朧気な輪郭を遠目で見ている感じです。勾玉を集めていたことには大変興味を抱いていましたが。

読んだら面白い!

私は今まで何を躊躇していたのだろうと思いました。この年になってもこんなに新鮮な喜びを得られるとは、やはり読書は素敵。

本を並べて売りつつも、恥ずかしながらまだまだ未知だったり“読まず嫌い”だったりする作品、作者、著者はたくさん存在します。頭が加齢で古びる前に固定観念を外していかなければ。

 

翌日、絵本『100年生きられた家』の営業活動の一環でつくば市へ行きました。目指すは「えほんや なずな」さん。ご覧いただいたこの絵本を即座に読み聞かせして下さることの嬉しさ。おおよそは頭に入っているはずの文章が、また違った感じで心に響いてきました。

店内を巡り、これ!という絵本たちと出逢えたのも嬉しい。多少の重さはリュックなので平気です。幸い、雪に降られることもなく帰宅できました。

 

本がいつも私を支えてくれる、という話でした。

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