「石と古本 石英書房」の日々

お店の最新情報と、石や本、お散歩その他、店主の好きな物事について綴ります。

自己アピール考

以前から入ってみたいと思っていたある喫茶店へ行ってきました。
そこで出てきたコーヒーカップを眺めていて、ふと感じたというか、
思い出したことがありました。



もう二十年近く前になります。
お店の方がその人のイメージに合わせたカップを選んで出して下さると
いう喫茶店に、当時の職場の女性陣で行きました。
当時はまだ結構珍しかったであろう趣向に皆でわくわく待っていると、
運ばれてきたコーヒーは確かに一人一人カップが違いました。


他の方のものはもう覚えていないのですが、確か私のカップは小花が散る
可愛らしい感じのものでした。皆さんそれに納得、という感じだったのですが
(メンバーで私が一番年下でした)、私自身は何だか今ひとつ納得できず、
他人からはそんなふうにみえるのか・・・と心に引っかかった気分でした。
カップが気に入らない訳では全然なくて、そんなに可愛いキャラじゃないのに、と
いう感じです。もっと個性的でありたいというか。


というのは、どうも周囲に自分のキャラクターが正確に理解されていないなあと
いう思いがだいぶ前からあったのです。それは周りが悪いのではなく、自分が
自分らしさをうまく表現できていないため・・・との自覚もありました。
どうしてだろう、どうしたらいいのだろう。
遠い昔は私も、そんなふうにうじうじ思い悩むタイプだったのです。
思い出しながらこうして綴るのも恥ずかしいです、まったく。


しばらく後、ほぼ同じメンバーで再訪する機会がありました。
そのとき私に運ばれたカップは、中国風の絵柄のなかなか個性的なもので、
他の方も前のときより熱心に“わかるわかる”という雰囲気になったことが
また嬉しかったのを覚えています。



そんなことを思い出したのは、今日行った喫茶店もそっと周りを窺った感じでは
どうもそれぞれカップが違う様子だったからです。

私のカップは、私の大好きなミントグリーンで、飲むに従い底に鳥と花々が
現れてくるデザインでした。どこかしゃきっとしているけれど、優しげな雰囲気も
失わず、かといって甘いトーンでもない。
勿論美化してではありますが、こういう人物でありたいと希望する印象に
大変ぴったりしていました。

偶然なのかもしれませんが、そのように見て頂いたのであったら、とても嬉しい。
私も年を経て、完成度はともかく少しでも理想と表現が一致してきたのなら本当に嬉しい。
そんなふうに感じました。



こんなにしつこく自己イメージだの自己アピールだのに拘るのにも、
また理由があります。
やはりいつかはお店を出したいとの思いは深まるばかり、どんなお店に
したいのかを考え、本を読んだり実際のお店に入ってみたり
店舗物件を探してみたりとしていくほどに、自分の色を強く主張し表現することの
重要性をひしひしと感じるからです。
自分を正しく理解してもらうというより、「これが私!」と前にでていくことが
更に必要みたいです。
でしゃばり・独りよがりとは全く違いますが。
そうならないよう気を付けることもまた大切だと思います。


漠然と頭に浮かんだことを正確に記そうとしたら、変に長ったらしくなってしまいました。
私的には重要な思いなのでこうして残しますが、早速の独りよがりっぽさで
申し訳ありません。いろいろあって、今、自己省察モードなのです。

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